今回は高橋洋一先生の霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」 (文春新書)を読んで、国際金融のトリレンマが面白かったのでそれについてまとめております。
これを一言で言うと、本当は固定相場制が良かったけど、上手くいかないから、固定相場制を捨てた、という話になります。どういう事かと言うと、
国際金融のトリレンマという原則があります。
まずジレンマと言う言葉があります。これは板挟みになってどちらかを選ばなければならないが、選べない困った、という状態ですが、トリレンマは、板挟みになっているものが3つになって、3つの中から1つ捨てて2つ選ばなければいけない、ということです。
その3つとは、金融政策の自由、資本の移動の自由、為替の安定性、になって、これを全て満たそうとするのは無理だった、という話なんです。
本当は固定相場制が安定していていい、貿易をやっている会社もそう思います。ただ、多くの国が変動相場制になっているのは固定相場制をすると、他を捨てなければいけないからです。
例えば、固定相場制にして、金融政策の自由も取ると、自由な資本移動が出来なくなります。相場を安定させるために、お金の移動をコントロールする必要があり、そうなると、外国の資本を呼べなくなったり、経済的な鎖国みたいな感じになって、めちゃくちゃになります。
逆に固定相場制と資本の自由を取ると、独自の金融政策が出来なくなります。相場は2国間で決まりますから、相場を固定するために、自分の国の金融政策が勝手に出来なくなって、周りの国と相談して決めなければいけない。
日本とアメリカは、3つの中でも一番重要度が低いと考えられる為替の安定を捨てて、独自の金融政策と、資本の移動の自由を実現しています。
例えばEUは、ユーロの中ではユーロと言う同じ通貨を使っているため、固定相場制を取って、独自の金融政策の自由を捨てた、と言えますし、中国は、資本の異動の自由を捨てています。