日本が戦争をした経緯

みんな戦争はしたくないと思っていると思いますが、色々な国がたくさん戦争をしてきました。なぜ戦争をしなければいけなかったんでしょうか。今日は明治以降、日清戦争から太平洋戦争まで(大東亜戦争とも言いますが)、戦争がなぜ起こったのか、について話していければと思います。

 

もともと江戸時代は、鎖国をしていて、貿易などは、長崎とか幕府がやっているのと、薩摩藩が沖縄でこっそり貿易をしていたり、という感じで他国との衝突はあまりありませんでした。ペリーが黒船で来航して脅されたことで幕府が倒されて、新しい明治政府が出来ます。外の世界を見てみると、昔の中国、清はアヘン戦争でイギリスにぼろ負けして植民地になりかけていました。フィリピンも植民地になっていて、日本も植民地になってしまう危険性があったのです。

 

イギリス、フランス、スペイン、オランダ、ドイツなどの帝国、いわゆる、植民地を持っている勝ち組の国になるために日本は帝国の真似をします。軍隊、武器、教育、憲法、色々なものを真似て近代国家に近づけるように頑張ったのです。

 

アメリカは1776年、明治維新の100年前に独立して、明治維新のころに南北戦争を経て、イギリスにも対抗できる近代国家になりました。そして鎖国をしていた日本を開国させる。開国させる、というのが勝ち組の1つの要素だったのです。そこで朝鮮は清の属国で、色々なことを清の許可を貰わないといけなかったので、清の属国、という立場から、独立国にして貿易も自由にさせるということを進めていきました。清は日本に朝鮮を取られたくありません。お互い軍は何かあった時に朝鮮に向かわせる、というルールにしたところ、朝鮮国内で反乱が起きて、日本と清の軍隊がデバって、戦争になります。それが1894年の日清戦争です。明治になってからの初めての戦争でした。日本は清に勝利して、朝鮮反応の付け根の半島、遼東半島を手に入れましたが、ロシアフランスドイツの圧力によって変換することになります。

 

それから清は眠れる虎と恐れられていたのが一変し、各先進国は、清を植民地にしようとこぞって出てきました。アメリカは植民地獲得競争に出遅れていたので、日本が清や朝鮮に手を出そうとすると物凄い反発をしたのです。

 

そしてロシアも清、朝鮮と南下をするのに、満州に軍を置いて支配していて、朝鮮の利権にも手を伸ばそうとしていました。遼東半島を返してやれ、と日本に圧力をかけていたロシアが、遼東半島はいつの間にか支配していたのです。

 

ロシアへの怒りはありますが、ロシアは強いし、朝鮮も全てとられると日本の安全保障的に問題なので、妥協案で満州のロシア支配を認める代わりに、朝鮮を日本のものとする案を出しましたが、ロシアは強かったので、妥協案なんて必要なく、文句があるなら戦争する、というスタンスで戦争が始まりました。それが1904年の日露戦争です。

 

日露戦争は奇跡的に勝利しましたが、苦戦して勝利したので賠償金もあまり貰えず、国民が激怒して政府関係の建物を攻撃しました。(日比谷焼打ち事件)しかし、日本が国際社会の中で、近代国家として地位を確立したと言えます。植民地として狙われなくったのです。これは凄い進歩でした。しかし、植民地として狙われなくなったその次には、帝国同士の戦いが待っています。

 

そして第一次世界大戦がヨーロッパで起きます。アメリカはここでお金を貸しまくって(債権を買いまくって)必要な軍事物資を輸出して経済も良くなります。日本も同じで戦争景気が来ました。日本も最後ちょっとだけ参戦し、戦勝国の仲間入りをしました。ドイツが植民地にしていた青島とか、パラオなどの南洋諸島を委任統治することになりました。

 

第一次世界大戦が終わり約20年しか平和は続きませんでした。1929年に世界恐慌が起きます。アメリカを発端として、たくさんの国が不況になり、日本も復興に追われました。植民地を持っている国は、ブロック経済と言って、植民地の需要を宗主国が独り占めして、他の国と貿易させない様にしたのです。今まで貿易をしていた国は、ただでさえ不況を乗り越えるために貿易を増やしたいのにそれをブロックされてしまって困ったのです。

 

日本は高橋是清が、ケインズ的施策を打っていましたが、方針としては、帝国として自国の領土を増やさないと、こういうことがあったら困ると、領土を拡大する方針にします。それが満州です。満州鉄道の利権を日露戦争の講和で得ていましたが、満州を独立させる、という建前で、日本の傀儡政権を作ります。

 

国際連盟のリットン調査団が調べて、これは日本が悪いと結論付けると、日本は国際連盟を脱退します。そして中国と紛争が発生し、日中戦争が始まります。アメリカは、日本の侵略行為に問題ありと、資源の輸出を制限して日本を苦しめました。日本は、資源を求めて、植民地の多いアジアを南下して、植民地を開放しつつ、資源を手に入れようとしました。

 

これに対抗し、各植民地を荒らされた国が参戦し、太平洋戦争になったのです。ヨーロッパではドイツが戦争を起こしていました。

 

これが明治以降日本が戦争を行って来た経緯です。最初は植民地にならないために力をつけていった。力がついてロシアに苦戦しながらも勝ったけれど、帝国同士の争い、領土獲得競争に巻き込まれた。そして世界恐慌が起こり領土を広げたくなった。それを良く思わない国があり、戦争となった、とまとめられるかなと思います。近代国家に成り上がったことで、近代国家としての領土を増やす、という選択肢が出てきて、それが利害を生み、いざこざが発生する。必然の出来事だと感じます。