明治の大改革、廃藩置県

明治の大きな改革と言えば版籍奉還と廃藩置県です。それまで各藩が徴税を行っていました。軍事力は江戸時代規制されていましたが、海外からの脅威が出てくるにつれて各藩が軍事力を持つことが黙認されるようになります。

 

明治になり明治政府が徴税と軍事を一手に行う必要が出てきます。いわゆる中央集権国家です。各藩バラバラに徴税し、軍事力を高めるのではなくて明治政府にお金と軍事の資源を集めた方が海外に対抗しやすい、という考えです。

 

版籍奉還は、江戸時代の習わしで将軍が変わると、一度、領地と民を幕府に返して、再度貰い受ける、ということをやっていました。江戸幕府が倒れて明治政府になったので各藩、版籍奉還を願い出たのです。

 

領地と民は天皇のものとされました。藩主は知事になりましたが、その支配構造は実質変わりなかったのです。名目的には天皇のものになったものの、元藩主の知事がその土地を支配して、徴税を行い、自分で軍事力を持っていました。

 

中央集権国家にするために廃藩置県を行いました。藩は廃止し、県にする。そして、藩主はクビになって東京に住むことになって政府の官吏になります。藩主の代わりに政府が任命した県令を県のトップにおきます。政府のいう事を効かせるために県令はなるべく、その県出身でない人を選びました。

 

藩主としては、藩主を首になるし、支配する権力も奪われる、そんなの承服できない、と思うこともあったと思いますが、各藩、借金に悩まされていて、それがチャラになるメリットがあったため、大きな反乱は起きなかったと言われています。

 

明治維新を起こした武士の中で軍人に慣れなかった人、官僚、官吏に慣れなかった人が、士族の反乱を起こします。

 

大政奉還、廃藩置県、両方ともに、もっと争い、戦争が起こる、長引いてもおかしくありませんが、士族の反乱程度で収まったことは奇跡と言えると思います。