南北戦争が教えてくれる勉強する意味

奴隷身分、解放されたはいいけれど・・・。

 南北戦争が終わり奴隷制が廃止されました。しかし、廃止になった後、元奴隷の黒人は、順風満帆だったわけではない様です。奴隷の多くは、読み書きが出来ませんでした。 

奴隷は、読み書きも教わらずに、ひたすら労働し続けることにしか価値を見出してもらえなかったので、いざ、解放されても、自立する力が無かったんです。

一部の奴隷は、主人の目を盗んで、読み書きを覚えたり、キリスト教を信仰したりします。ナットターナーは、読み書きが出来て、信仰があり、奴隷制はおかしいと思って反旗を翻しますが、すぐに捕まって処刑されてしまいます。

フレデリックダグラスは読み書きが人生を変えると思って主人の目を盗んで勉強していました。でも長時間労働とむち打ちで何も考えることが出来なかったと言っています。そういった読み書きが出来る人はほんの一部だったんですね。

奴隷の身分を解放された黒人の多くは、家も仕事も見つけなければならず、自立の支援はありませんでした。放送大学では奴隷を解放しただけで自立支援までは手が回らない、19世紀の限界と言っていました。同じ主人に、家や土地を借り、農機具を借り、小作人としてやっていくことが多かったんです。それに加えて、綿花の値段が下がっていったので、農園の主も、小作人となった黒人もあまり儲からなかったと言われています。

奴隷の身分が解放されて強制的に労働させられることはなくなったので、奴隷の時と比べて精神的に大きな違いはあったと思います。結局、読み書きが出来ないと、職業選択の自由はありながらも、選択肢を自分で狭めていて、本当は、勉強すれば他の職業に就くこともできるのに、今できることを選択してしまう。それでたくさんお金を貰える仕事であればいいですが、綿花が安くなって、この仕事やってても楽にならないな、でもこの仕事しかないな、と思ってしまっていたら不幸ですね。

綿花が安くなって1次産業として厳しくなったのであれば、加工して、服を作るとか2次産業に行けば綿花だけを栽培するよりも良くなったかもしれません。ただそれをするには、新しい技術もいるし機会もいるし、資本が全くなく読み書きも出来ない状況では難しかったのかもしれません。

職業選択の自由を勝ち取るにもどの職を選ぶとか、それに必要な勉強をするとか、準備や勉強が必要、と言うお話でした。

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