中世日本のタックスヘイブン、荘園

中世日本に荘園という制度がありました。荘園と言っても、広い意味としては、大農園の事ですが、中世だと、その大農園を使って税金逃れをしていました。

もともと、律令制と公地公民によって、人民と土地は天皇のもの、と決められて運営されていたものの、それが徐々に崩れていきます。税収が減ったため、田畑を新しく開墾したらあなたの土地にしていいですよ、という墾田永年私財法を発して、国の持ち物ではなく、個人が土地を所有できることになります。

 

ただ、個人の土地にしたからって国としては税金を取ろうとします。そこで有力貴族は考えました。寺院には、不輸の権、という税金が免除される権利がありました。これを利用したのです。寺院に荘園を寄進します。名簿上は、荘園の所有は寺院になりました。しかし、実際は同じような顔ぶれで畑を耕しています。そして、荘園を守ってくれたお礼に、寺院にお金を渡すのです。

 

お寺に渡す金が国の税金より安かったからだと思いますが、この制度は広がっていき、貴族や武士が力を蓄える原因となったのです。ちなみにこの荘園の制度は、豊臣秀吉の太閤検地によってなくなりました。

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